大噴火前、9000年かけ形成=鬼界カルデラの巨大マグマだまり―掘削調査で判明・海洋機構と神戸大
鹿児島県・屋久島北方の海底にある「鬼界カルデラ」で7300年前(縄文時代)に大噴火が発生する前には、地下で巨大なマグマだまりが約9000年かけて形成されていたと推定されることが分かった。海洋研究開発機構と神戸大の研究チームが22日、探査船「ちきゅう」で付近の海底を掘削し、過去の噴出物を分析した成果として発表した。
この大噴火では火砕流が大隅半島や薩摩半島に達し、火山灰は東北地方にかけて降った。海洋機構火山・地球内部研究センターの羽生毅センター長代理は「陸上より海底の地下のほうが、過去の噴出物が年代を追える形で残っていることが分かった。伊豆・小笠原や沖縄・奄美の海底火山についても、噴火の歴史を調べるのにこの方法が役に立つ」と話している。
カルデラは火口付近が陥没してクレーター状になった地形。外輪山の一部が、現在も噴火が活発な薩摩硫黄島や近くの竹島として海上に出ている。研究チームは竹島付近の海底を掘削し、過去約10万年間の噴出物を採取。含まれる火山ガラスや鉱物を分析し、マグマの化学組成が年代とともに変化する様子を明らかにした。
その結果、7300年前の大噴火を引き起こした流紋岩のマグマが約1万6000年前から本格的に蓄積され始め、約9000年かけて巨大なマグマだまりに成長したとみられることが分かった。
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