文氏の「腹心」が復権=野党代表のライバルか―韓国
【ソウル時事】韓国の文在寅前大統領の「腹心」と呼ばれ、実刑判決を受け服役した金慶洙前慶尚南道知事が公民権を回復した。政治活動を再開すれば、2027年大統領選に向け、革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表のライバルとなる可能性がある。
韓国政府は15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」に合わせた特別赦免として金氏を含む元公職者ら1219人に刑の減免や公民権回復を行った。
金氏は故盧武鉉元大統領の秘書官を務め、国会議員や文氏の大統領選の報道担当者を歴任した。知事だった21年、インターネット上の不正な世論操作に関わった罪で懲役2年が確定。22年12月に恩赦を受けたが、公民権は回復していなかった。
留学中の金氏は特別赦免を受け「韓国社会のためになる役割は何なのかをよく考える」と表明。タイミングを見極めて政界復帰する意向を示唆した。
共に民主党は今年4月の総選挙の圧勝で李氏に近い新人が多数当選し、「李在明党」ともやゆされる。しかし、かねて将来の大統領候補の一人と目されてきた金氏の復権により、李氏と距離を置く文氏に近い勢力が、金氏の下に結集する可能性がある。尹錫悦政権には、共に民主党の内部分裂を誘い、李氏をけん制する狙いもあったとみられる。
[時事通信社]
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