防災呼び掛け、終了=プレート変化、観測されず―南海トラフ、初の臨時情報から1週間
南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」の発表から1週間となった15日、内閣府は後発地震に備えた防災対応の呼び掛けを午後5時に終了した。気象庁によると、同地震の想定震源域周辺でプレート境界の固着状況に特段の変化は見受けられないという。
内閣府の防災担当者は気象庁と合同で実施した記者会見で「大規模地震の可能性がなくなったわけではない。引き続き日ごろから地震への備えをしてほしい」と強調した。
呼び掛けの終了を受け、東海道新幹線は三島―三河安城間での減速運転をやめ、通常速度に戻す。
臨時情報の発表で、海水浴場が閉鎖されたり、水や食料が品切れになったりした。内閣府の担当者は「一連の反応などの振り返りを行い、今後運用面の改善に努めたい」と説明した。
8日午後4時42分ごろ、宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、宮崎港で50センチの津波を観測。気象庁は、南海トラフ沿いで巨大地震が発生する可能性が「平常時と比べて相対的に高まっている」として、茨城から沖縄までの29都府県707市町村を対象に臨時情報を初めて発表した。
内閣府は日ごろの地震対策の再確認に加え、すぐに逃げられる準備を整えての就寝や、非常持ち出し品の常時携帯など、後発地震に備えた具体的な防災対応を呼び掛けていた。
政府が策定した南海トラフ地震の防災対策推進基本計画では、特段の変化が見られなければ「地震発生の1週間後(168時間後)の正時」に呼び掛けを終了するとしている。
気象庁によると、震度6弱の地震後、15日午後5時までに日向灘周辺で観測された震度1以上の地震は23回。最大は震度3だった。
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