フランスらしさ出た大会=見通し悪くも「それが人生」―パリ五輪
困難に直面しても「セラビ(それが人生さ)」と言って、前向きに乗り切ってしまうのがフランスの国民性。11日に閉幕したパリ五輪は良くも悪くも、そんな「らしさ」が詰まった大会だった。
運営面では見通しの甘さが目立った。トライアスロンのスイム、水泳のオープンウオーターの会場となったセーヌ川は、大会前から浄化に取り組んだものの、降雨により汚水が流れ込み、水質が悪化。練習日が連日キャンセルとなり、競技を実施しても体調不良を訴える選手が出るなど、タフな戦いを強いられた。
選手ファーストの観点で言えば、生活拠点となる選手村でもトラブルがあった。24時間営業のレストランでは、地元産や有機食材にこだわり、肉類を減らしてベジタリアンの選択肢を多くしたが、英国やドイツなどの選手団から食事の質や量に不満が続出。700キロの卵と1トンの肉を追加することになった。
冷房のない部屋もストレスの原因に。競泳の男子100メートル背泳ぎ金など二つのメダルを獲得したチェコン(イタリア)は不満を爆発させたと複数の海外メディアに報じられ、外で昼寝する姿が話題となった。
ただ、競技全体を通して、大会は華やかだった。エッフェル塔など観光名所の周辺につくられた会場では、スポーツ好きなフランスのファンが「アレ!(頑張れ)」と声援を送り、大いに盛り上がった。細かなことは気にせず、最終的には大団円としてしまうのは、さすがフランスといったところか。 (時事)
[時事通信社]
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