新鮮さの裏に違和感も=意義あったブレイキン〔五輪〕
コンコルド広場のブレイキン会場には五輪とは思えぬ光景が広がっていた。サングラスをかけたファンキーな男性がMCを務め、ステージ後方のDJが音響を操る。一帯は屋外コンサートのようなムードを醸し出した。
実施競技に決まった2020年から、スポーツか否かの議論をはじめ懐疑的な見方が続いた。採点が不明瞭なのは事実で「なぜ負けてなぜ勝ったのか分からない」という現場の声もある。陸上や競泳のような一瞬の勝負は見られない。単なる見せ物になるのではないかという懸念があった。
いざ始まってみれば会場は次第に熱を帯び、初めて見るであろう観客も含めて「バトル」を楽しんだ。初代女王に輝いたAMIこと湯浅亜実は「フレッシュなリアクションもあった。会場のエナジーを受けながら踊ることができた」と言う。
今回実施したことの意義は何か。ファンは国を問わず、超人的なムーブには拍手を惜しまなかった。ダンサーは必ずしも勝敗やメダルに固執せず、楽しむこと、楽しませることを大切にした。踊りを通じて伝えようとした魅力とは、国際オリンピック委員会(IOC)が表向きに言う「若者を引き付ける」という側面だけではないはずだ。
ただ違和感もあった。クラブのような暗く密閉された場所が似合うのに、パリでは明るい空の下で競技が進行。DJや余興を含めあらゆるものが新鮮に映ったが、それらが五輪の雰囲気にマッチしていたとは言い難い。
皮肉にも発祥地である米国が舞台の次のロサンゼルス五輪の実施競技からは外れた。理由は明確ではないが、良くも悪くも「スポーツ」として扱ってみて分かったことは多い。この先ブレイキンが発展を遂げるためには、必要なプロセスだったと言える。 (時事)
[時事通信社]
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