2024-08-10 23:33スポーツ

玉井、1世紀の夢実現=英才教育で培った目―飛び込み〔五輪〕

男子高飛び込み決勝、玉井陸斗の6回目の演技=10日、サンドニ
男子高飛び込み決勝、玉井陸斗の6回目の演技=10日、サンドニ

 約100年前から始まった日本の飛び込み界の挑戦。男子高飛び込みの玉井が日本勢で史上初めて五輪の表彰台に立った。
 周囲は「天才」と評する17歳だが、飛び込みを始めた当初は「上手ではなかった」という。7人いたクラブの同期でいつも2、3番くらい。「中学に上がるときが一つの区切り。(競技を)やめたいとは思っていた」と明かす。
 ただ、秘めた才能に気付いた馬淵崇英コーチが与える経験の場が、そうはさせてくれなかった。
 小学4年生から、所属クラブの先輩と共に中国での合宿に連れ出された。大人たちに囲まれ、異国で生活する日々。そしてけがのリスクと隣り合わせの練習。小さな少年が「怖かった」と感じるのは自然なことだ。
 その後の考え方が非凡だった。目の前の厳しい環境から逃げず、自分で学ぼうとする姿勢を既に持っていた。
 中国の同世代の選手が小学生から寮生活していることを知り、「すごくきつい練習だな」。代表に準じるレベルの選手のトレーニングを見て「体の使い方を盗めた」。早くから触れた本場の根幹を自分に取り込む吸収力が違った。
 パリで披露した演技は、つらかった中国合宿で地道につくり込んだ思い出が詰まっている。小さな少年の勇気が世紀を超えたニッポンの夢をかなえた。 (時事)
[時事通信社]

男子高飛び込みで銀メダルを獲得し、メダリストたちと撮影に応じる玉井陸斗(左)=10日、サンドニ
男子高飛び込みで銀メダルを獲得し、メダリストたちと撮影に応じる玉井陸斗(左)=10日、サンドニ
男子高飛び込み決勝、6回目の演技を終えメダル獲得を確信し、馬淵崇英コーチと抱き合って喜ぶ玉井陸斗(右)=10日、サンドニ
男子高飛び込み決勝、6回目の演技を終えメダル獲得を確信し、馬淵崇英コーチと抱き合って喜ぶ玉井陸斗(右)=10日、サンドニ
男子高飛び込みで銀メダルを獲得し、笑顔の玉井陸斗=10日、サンドニ
男子高飛び込みで銀メダルを獲得し、笑顔の玉井陸斗=10日、サンドニ

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