トラ、最難関コース攻略=難所の上り坂で独走態勢―男子マラソン〔五輪〕
「五輪史上最難関コース」と言われたパリ五輪のマラソン。男子のトラは中盤に複数ある急勾配のアップダウンを攻略し、栄冠を手繰り寄せた。
ルーブル美術館、コンコルド広場などパリ市街地の名所を巡った序盤は集団の中で力を蓄え、28キロすぎの最大の難所で仕掛けた。先頭の赤崎を捉え、「1人で行こうと決めた」。果敢に飛び出し、過酷な上り坂で独走態勢に。終盤のエッフェル塔付近で差を広げ、アンバリッド前のゴールは大歓声に迎えられた。
当初は補欠での選出だったが、故障した代表選手と入れ替わって出場。「上り坂で苦労したので(追い付かれないか)怖かった」。何度も後ろを振り返り、残り約1キロで勝利を確信。2時間6分26秒の五輪新記録を樹立し、2022年世界選手権に続く頂点に立った。
レース翌日の11日が33歳の誕生日。「人生で最高の日。ありがとう、パリ」。メダル授与式では感激の面持ちで観客に手を振った。 (時事)
[時事通信社]
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