17歳の万能型、一歩届かず=安楽、悔しさ残る銀メダル―スポーツクライミング〔五輪〕
初めての五輪の舞台。力強く目の前の壁を攻略していく姿には高校生とは思えない風格が漂った。五輪採用2大会目で日本男子に初の銀メダルをもたらした安楽は「初めての五輪で取れたのはうれしいが、悔しさの方が強い」と少し複雑な表情を浮かべた。
前半のボルダーは最初の課題を1回目で軽々と完登すると、絶妙なバランスが要求される二つ目も攻略。69.3点でトップに立った。だが、得意のはずのリードでは中盤から動きがもたつき「疲れやメンタルの乱れが入ってしまった」。終盤で力を使い果たして落下。逆転を許した。
もともとは脚の力をうまく生かし、上半身の力をあまり使わずに登るリードが得意なタイプ。高校1年から筋力トレーニングに積極的に取り組み始め、大きく成長を遂げた。
以前は懸垂が1回もできないほどだったが、上半身に力強さが増し、昨年のワールドカップではボルダーでも総合優勝を果たすまでになった。たった数年で世界屈指の万能型選手に進化。それでも頂点には足りないものがあった。
満員の観客は17歳の奮闘を総立ちでたたえた。安楽は「今回は微妙な感じで終わってしまったので、『最強』と言われるクラスになれるよう頑張りたい」。悔しさを糧にさらなる高みを目指す。 (時事)
[時事通信社]
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