2024-08-09 17:55スポーツ

ウオーターボーイズ道半ば=ロスで実現に意欲も―アーティスティックスイミング〔五輪〕

世界水泳選手権のアーティスティックスイミング(AS)、アクロバティックルーティン(AR)予選で演技する日本の佐藤陽太郎(右下)ら=2023年7月、マリンメッセ福岡
世界水泳選手権のアーティスティックスイミング(AS)、アクロバティックルーティン(AR)予選で演技する日本の佐藤陽太郎(右下)ら=2023年7月、マリンメッセ福岡

 アーティスティックスイミング(AS)で、パリ五輪は男子選手のチーム種目出場が最大2人まで認められたが、実際にエントリーしたのは女子選手だけだった。
 今大会は「ジェンダー平等」が理念の一つとなっており、全競技通じての選手数は史上初めて男女同数。ただ、ASに限ってみれば、男子ゼロになる特有の事情もあった。
 昨年の世界選手権(福岡)でひときわ目立っていたのは、男子の第一人者ビル・メイ(米国)。アクロバティックルーティン(AR)でチームの一員として出場し、銀メダル獲得に貢献した。しかし、45歳は五輪代表からは落選した。
 大会中に行われた記者会見で、米国のフエンテス・ヘッドコーチ(HC)は男子参入について「AS界全体が新しいステップに興奮したと思うが、それを成し遂げる時間がなかった」と話した。
 元日本代表コーチの井村雅代さんは、チーム種目の一つを構成するテクニカルルーティン(TR)に難しさがあると指摘。「TRは8人が同じことをする。柔軟性がある選手はいても、骨の太さがちがう。調和を取りたいのに、どうしても目立ってしまう」とみる。
 新ルールの導入と共に、新たに組み込まれたARや、規定要素がないフリールーティン(FR)では、男子の力強さやダイナミックさは、たおやかな動作に緩急を付けるアクセントになる。
 井村さんも「違う世界を描ける」と期待している男子選手の参加。4年後の自国開催を控える米国も同じ方向を向いている。フエンテスHCは「2028年の五輪では実現できると確信している」と展望した。 (時事)
[時事通信社]

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