中国、「仲介」外交で新興国に攻勢=ウクライナ問題巡り
【北京時事】中国政府は7日までに、ロシアが侵攻を続けるウクライナ問題の「仲介」外交を進めるため、李輝ユーラシア事務特別代表をブラジル、南アフリカ、インドネシアに派遣した。昨年5月に始まった李氏による関係国歴訪は今回で4回目。中国が提唱する「ウクライナ和平案」の実現に向けて新興国を中心に働き掛け、国際的影響力を誇示する狙いがうかがえる。
中国は今年5月、ウクライナ問題の政治的解決に向けた6項目の和平案をブラジルと共に発表。「ロシアとウクライナ双方が認める国際平和会議の実現」などを柱としている。
李氏は、今回の歴訪で「(6項目の和平案に)110カ国以上が肯定的な反応を示した」と強調した。ブラジルメディアの取材に対しては、ウクライナ危機が途上国の食料・エネルギー安全保障に深刻な影響を与えていると主張。新興・途上国「グローバルサウス」が団結して、和平の実現に取り組むべきだと訴えた。
ただ、中国はロシア寄りの姿勢を強めており、ウクライナ主導の和平案を協議した6月の「平和サミット」を欠席した。先月、中国を訪れたウクライナのクレバ外相は王毅共産党政治局員兼外相との会談で「(6項目の和平案を)真摯(しんし)に検討した」と述べるにとどめた。
[時事通信社]
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