「七転び八起き」の競技人生=板飛び込み・三上選手〔五輪〕
女子板飛び込みの三上紗也可選手(23)=日体大大学院=は骨折など数々のアクシデントに見舞われ、恩師が「七転び八起き」と評す競技人生を送ってきた。東京大会に続く2回目の五輪だったが、予選を通過できなかった。
鳥取県出身。小学2年で競技を始めた。指導する安田千万樹コーチ(53)は「高さを怖がって飛べない子は、練習しても飛べない。紗也可は『行っちゃえ』と飛び込む度胸があった」と話す。
最初の出会いは、三上選手が小4で出場した全国大会の1週間前。前任コーチが突然辞めることになり、安田コーチが急きょ後任を託された。
大会では、最下位に終わった三上選手の目の前で、一緒に出場した男子選手が優勝し、最優秀選手賞を手にした。安田コーチは「2人を連れて帰る電車の中、一方は大喜び、一方は相当落ち込んでいた」と振り返る。
「悔しい」。揺れる車内でそう口にした三上選手に、安田コーチが「本当について来られるか」と覚悟を問うと、はっきりと答えた。「ついていきます」。10年以上になる二人三脚の競技人生が始まった。
翌年の全国大会で演技を終えた三上選手は安田コーチのそばに駆け寄り、「何番ですか」と尋ねた。「2番だね。頑張ればできるだろう」と返すと、跳びはねて喜んだという。
[時事通信社]
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