体調不良乗り越えパリへ=夫婦で挑んだ五輪―バレーボール・西田選手〔五輪〕
準々決勝で敗退したバレーボール男子。エース西田有志選手(24)=大阪ブルテオン=は、妻のバレー女子主将古賀紗理那選手(28)=NEC=と共にメダルを目指したが、2人の夢はかなわなかった。
三重県出身。先にバレーボールを始めていた兄と姉の影響で、小学校入学直前にバレー生活を踏み出し、18歳で日本代表入りした。
練習で全力を出し切っていたからか、母美保さん(58)は「帰ってきたらずっと寝ていた」と振り返る。父徳美さん(56)によると、家では、石川祐希主将(28)=ペルージャ=の試合のビデオを見ていることも多かったという。
初出場した東京五輪では、その石川選手と共に29年ぶりの準々決勝進出に大きく貢献。その後、石川選手を追うようにイタリア1部リーグに移籍した。イタリアでは通訳を置かず、食事は自炊。美保さんは「言葉は分からないけど、身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取っていたみたい」と話す。
そんな生活を続けていた西田選手は2022年9月ごろ、突然、原因不明の体調不良に苦しみだす。ベッドから起き上がれないほどの発熱が続き、激しい痛みも伴った。知らせを受けた徳美さんは「これはあかん。もうバレーができないのでは」と覚悟したという。
いくつもの病院で数十種類の検査を受けた西田選手。だが、原因は判明しない。痛み止めの薬でしのぎつつ、体力が落ちないよう、できることを探した。「プールで泳がずに歩く」「とにかく汗をかかない」。医師からはそんな指示を受けた。
両親が完全復活を感じたのは、23年8月のアジア選手権だ。3大会ぶりの優勝を果たしたメンバーに西田選手もいた。徳美さんは「表情が全然違った。楽しそうにプレーする姿に安堵(あんど)した」という。
[時事通信社]
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