核抑止力依存からの転換促す=平和宣言で市長訴え―79回目、広島原爆の日
広島は6日、79回目の原爆の日を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、市主催の平和記念式典が開かれ、被爆者や遺族、岸田文雄首相ら約5万人が参列。松井一実市長は平和宣言で、「国際問題を解決するために武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないか」と危機感を表明。東西冷戦の終結を例に、「為政者が断固とした決意で対話すれば、危機的状況は打破できる」として、核抑止力に依存する政策からの転換を訴えた。
式典には、109カ国と欧州連合(EU)の代表が出席。原爆投下時刻の午前8時15分、「平和の鐘」に合わせて1分間の黙とうをささげた。
松井市長は宣言で、若者をはじめとする市民社会による交流の重要性に言及。「『平和文化』を共有できる世界を創っていこう」と呼び掛けた。
日本政府には、核兵器禁止条約への署名、批准を改めて要請。高齢化する被爆者への支援充実も求めた。
岸田首相はあいさつで、核兵器のない世界の実現に向けて努力することは「唯一の戦争被爆国であるわが国の使命だ」と強調。その上で、「核軍縮に向けた機運を高めるべく、国際社会を主導していく」と述べた。
式典では、この1年間に死亡が確認された5079人の名前を記した原爆死没者名簿を慰霊碑に納めた。犠牲者は34万4306人となった。厚生労働省によると、被爆者健康手帳を持つ人は今年3月末時点で全国に10万6825人。平均年齢は85.58歳で昨年より0.57歳高くなった。
広島の被爆者団体の代表らは式典後、岸田首相と面会し、来年開催される核兵器禁止条約の第3回締約国会議に「オブザーバー参加してほしい」などと要望した。
6日夜には原爆ドーム前を流れる元安川で灯籠流しが行われた。
[時事通信社]
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