経済成長の一方、強権批判も=辞任のハシナ首相―バングラデシュ
【ニューデリー時事】バングラデシュのハシナ首相が5日、反政府デモの激化を受け辞任した。2009年に返り咲いて以降、連続在任期間は約15年の長期に及んだ。同国を経済成長に導いた手腕を評価する声がある一方、強権的な統治には批判も付きまとってきた。
1947年、当時パキスタンの一部だった南西部でラーマン初代大統領の長女として誕生。75年のクーデターでラーマン氏や家族が殺害されたが、妹と共に西ドイツ(当時)に滞在していて難を逃れた。
亡命生活を経た81年、アワミ連盟(AL)の党首に選ばれた。民主化運動を主導し、96年に首相に就任。下野後の09年に政権を奪回すると、政敵でバングラデシュ民族主義党(BNP)党首のジア元首相を汚職容疑で追及し、権力基盤を確立した。
昨年、BNPの支持者らが公平な総選挙実施などを求め反政府デモを展開した際は、BNPの幹部や支持者らを次々に拘束して弾圧。今年1月の総選挙ではBNPがボイコットする中、連続4期目入りを果たした。
過去には選挙不正も疑われた。反体制派排除の動きを加速させていることに、日本政府筋は「カンボジア型の事実上の一党独裁に近づく」と懸念を示していた。
一方、ハシナ氏は経済発展を最優先に位置付け、積極的な外資呼び込みなどで高成長を達成した。アジアの最貧国だったバングラデシュは26年にも後発発展途上国から抜け出す見込みだ。
[時事通信社]
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