気配りの主将、現役に幕=古賀紗理那、最後に万感―バレーボール女子〔五輪〕
バレーボール女子の日本を長年けん引してきた古賀紗理那(28)=NEC=の現役生活が幕を下ろした。3日の1次リーグ最終戦でケニアをストレートで下したが、集合写真を撮った後は涙をこらえ切れず、しばらく立ち上がれなかった。翌4日に2大会連続の1次リーグ敗退が決まった。
熊本信愛女学院高2年時に日本代表に初選出された逸材。当時同校バレー部のコーチだった堤政博さん(40)によると、入学当初からプレーの質や向上心だけでなく、「競技の理解度が非常に高く、(戦術を)大人同士のように話せた」。
部員一人ひとりに気を配り、自身の練習が早めに終われば、控え選手たちのメニューをサポート。嫌われるようなことは一切なかった。堤さんが監督に昇格したタイミングで主将に指名され、チームを「プレーと行動と言葉で」(堤さん)まとめ上げた。高校時代から人前で涙を見せなかったそうだが、最後は万感の思いがこみ上げた。
2022年から日本の主将を務め、タイムアウト中は選手の輪の中心。チームが苦しい時こそトスが上がると言い聞かせ、「1セット5得点」を自らに課してきた。今年のネーションズリーグではベストアウトサイドヒッターの1人に選ばれ、世界でも認められた。
チーム最年長の岩崎こよみ(35)=埼玉上尾=は「こういう風に守ろう、攻めようと声を掛けてくれる。プレーでも立ち振る舞いでも主将だなと思う」と賛辞を贈る。所属チームも同じ小島満菜美(29)=NEC=は「紗理那とできて本当によかった」と感極まった。
現役最後となった試合は「主将とかは考えずに、バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦った」と古賀。12年ぶりのメダル獲得という目標には届かなかったが、日本女子バレー界に確かな足跡を残した。 (時事)
[時事通信社]
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