法の支配、共同声明明記へ=日・中央アジア首脳会合
政府は、日本と中央アジア5カ国との首脳会合の共同声明に「法の支配」の重要性を明記する方向で調整に入った。複数の政府関係者が3日明らかにした。首脳会合には岸田文雄首相が出席し、ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、力による一方的な現状変更を認めない日本の立場を訴える方針だ。
首相は8月9~12日の日程でウズベキスタン、カザフスタン、モンゴル3カ国を訪問。カザフでは中央アジア5カ国との首脳会合に臨む。
中央アジア5カ国はウズベク、カザフ、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンでいずれも旧ソ連構成国。カザフ、キルギス、タジクの3カ国はロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)に加盟するなど安全保障面で強い関係にある。
中央アジアでは、中国も巨大経済圏構想「一帯一路」の下で経済的な影響力を拡大。各国の主要な貿易相手国になっている。首相は法の支配に基づく国際秩序を訴えることで、中央アジア5カ国と中ロ両国との関係にくさびを打つ狙いがある。
日本は、中央アジアの自立的で持続可能な経済の発展を支援する考えだ。共同声明には(1)脱炭素(2)物流網整備(3)人材育成―の3分野で新たな協力を盛り込む方向で調整しており、各国との個別会談でも協力強化を打ち出す方針だ。
日本と中央アジアの対話は2004年に開始。これまで外相会合を重ねてきたが、首脳会合は初めてとなる。
[時事通信社]
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