「好きじゃなかった」=マリー、五輪で締めくくり―テニス〔五輪〕
最後の瞬間が来てしまった。今大会で現役引退を表明していた男子テニスの元世界ランキング1位、アンディ・マリー(英国)が、1日に行われたパリ五輪の男子ダブルス準々決勝で敗退。「アンディ」と名を呼ぶ大歓声に包まれながら、コートを後にした。「試合に出てプレーするのはこれが最後だから感慨深かった。今は純粋にうれしい」と思いを語った。
選手生命に関わるようなけがに苦しめられながらも、何度も復活してきた。近年は背中を負傷。歩くことにすら支障が出るほどで、37歳の体はとうに限界だった。2012年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会でのシングルス連覇など、輝かしい成績を残してきた五輪を最後と決めた。
一時代を築いてきた「ビッグ4」の一人。共に戦ってきたノバク・ジョコビッチ(セルビア)への思いも語った。幼い頃からの付き合いで、マリーがウィンブルドン選手権を初めて制した際に、決勝で戦った相手でもある。そんな戦友は、四大大会と五輪を全て制覇する「生涯ゴールデンスラム」にあと一歩のところまで来た。「彼がキャリアの後半で達成したことは現実とは思えない。金メダルを獲得するところを見たい」とエールを送った。
最後の試合の後、すぐさま自身のX(旧ツイッター)を更新。自己紹介の欄は「I play tennis(私はテニスをしている)」から「I played tennis(私はテニスをしていた)」に。冗談を好み、ユーモアあふれる言動が多かったマリー。「そもそもテニスは好きじゃなかったんだ」。らしさ全開の投稿で締めくくった。 (時事)
[時事通信社]
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