「みんなのメダル、喜び4倍」=銀に胸張る加納―フェンシング男子〔五輪〕
2冠と連覇。二つの偉業に紙一重で届かなかった。フェンシング男子エペの加納。個人に続いて、団体でも金メダルを目指した挑戦は、わずか1点差で及ばなかった。
25―25でもつれ込んだ延長戦。加納の剣がハンガリー、シクローシの胸を捉えた。同時に加納の右肩付近を相手の剣が突く。得点を示すランプがともったのは、ハンガリーの緑色だけ。「プレッシャーをかけて飛び込んでいくつもりだった。相手のフェイントに反応してしまい、剣を振ってしまったところを突かれた」。わずかな攻防のあやで、明暗が分かれた。
個人金メダリストの底力は示した。最終9番目でピストに立ったときは、18―20と追う展開。「僕が攻めていくしかない」。追い付き、もう一度突き放されても追いすがる。残り約7秒で再度同点とする執念を見せ、大歓声を浴びた。
男子エペは個人よりも団体を重視してきた種目。金メダルを獲得した東京五輪で話題となった「エペジーーン」という合言葉は、「エペ陣」と擬態語の「ジーン」を合わせた造語で、チームの団結力を意味する。個人戦の後、「うれしいけれど、若干孤独感がある」と話した加納は、団体の金を狙う強い意志に揺らぎはなかった。
再び表彰台の真ん中に立つことはできなかったが「(個人とは)全くの別もの。みんなでメダルを取るのは喜びも4倍」。銀メダルに胸を張った。
1大会で1人の選手が複数メダルを獲得するのは、日本フェンシング界で初めて。加納は「実力を最大限発揮できたと思う」と総括した。記憶にも記録にも刻まれる五輪になった。 (時事)
[時事通信社]
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