エース細谷、最後まで奮闘=同点ゴールは幻に―サッカー男子〔五輪〕
後半3点目を奪われた後、すぐにボールを拾い、センターマークまで運んだ。日本のエース、細谷は「(ゴールを)1個取っていたら、全然流れは変わっていた」。敗戦後、淡々と試合を振り返った。
体の強さを見せ、同点ゴールを奪ったかに見えた。前半終了間際。縦パスを受けて相手を背負いながらキープし、反転してゴールに沈めた。しかし、わずかに相手よりもゴール側に足があったため、VARでオフサイドの判定に。「初めてこういうVARがあって、悔しい」。それでも引きずることなく、最後まで最前線で走った。
1~2月に参加したA代表のアジア杯で振るわず、五輪出場を決めた4~5月のU23(23歳以下)アジア杯でもなかなかゴールが生まれなかった。高校時代以来のスランプだったが、自分のできることを全う。報われるように、U23アジア杯の勝負どころで待望の得点を挙げた。
「良い時も悪い時も、常に平常心。悪い時に頑張れる選手かもしれない」。小学校時代に在籍したJ1柏と提携するクラブ、レイソルトーアの西田昌史コーチは細谷のことをそう振り返る。6年生の時。全国大会の準々決勝で敗れた後、帰りのバスでチームメートが泣いていた中、細谷は切り替えを促す声を周囲に掛けていたという。
大舞台で、スペインの強力な前線の質を目の当たりにした。「FWとして、もっと上にいかないといけない。結果を受け止めるしかない」。悔しさを糧に、さらなる飛躍を誓った。 (時事)
[時事通信社]
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