マルシャン、英雄の序章=オール五輪新で個人4冠―競泳男子〔五輪〕
4度目の表彰式でも「レオン」と連呼する観衆。その様子を満足そうに見渡した競泳男子のレオン・マルシャン選手(フランス)。1世紀ぶりに自国で開催された大舞台を通し、スターダムにのし上がったことを身をもって感じた瞬間だろう。
2日の200メートル個人メドレーを含め、個人4種目をいずれも五輪新記録で制した。「『楽しまないと』と自分に言い聞かせた」。余韻に浸るように、プールの中で親指を折った手を掲げ「4」と示す。地元ファンをとりこにした。
特に個人メドレー2種目の五輪記録更新は価値が高い。いずれも高速水着時代の2008年北京五輪で出て以降、ほこりをかぶっていたタイム。五輪4大会で23個の金メダルを手にしたマイケル・フェルプスさん(米国)が持っていた。
そのフェルプスさんを世界トップまで引き上げたのはボブ・バウマンコーチ。当時の経験も生かし、大切に育てているスイマーがマルシャン選手だ。
フランスの競泳史上で誰もいない4冠を達成。無冠だった東京五輪の次大会でブレークした道のりも、五輪2大会目でリレーを含む6冠に輝いたフェルプス選手の歩みと重なる。
両親も競泳のオリンピアン。まだ22歳の青年は輝かしい1週間を過ごした裏で、実は「ずっとよく寝られなかった」という。相当な重圧とも闘い抜いた。
日増しに広がった地元の声援と期待に結果で応えた。「(自分のキャリアは)まだ始まったばかり。とにかく泳ぎ続けたい」。英雄が次に見据えるのは4年後のロサンゼルス五輪。今回は届かなかった「五輪で世界新」の夢を実現してくれるかもしれない。 (時事)
[時事通信社]
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