明暗分けた細部の差=大岩ジャパンの挑戦終わる―サッカー男子〔五輪〕
大岩ジャパンの挑戦が終わった。スペインに0―3。最後は差がついてしまったが、防戦一方ではなかった。「このチームでもっと戦いたかったという気持ちが本当に強かった。ここで終わってしまうのか」。主将の藤田は試合後、ピッチにうずくまった。本気で悔しがったのは、勝てるチャンスがあったと感じたからだろう。
強烈な個の力で先制された。日本が自陣でボールを奪った後、山本から前の三戸へパス。圧力を受けてこぼれたボールが相手に渡り、F・ロペスにミドルシュートを浴びた。今大会、何度も日本を救ってきたGK小久保でも止められず、初めて失点した。
敵陣に押し込めた時間はあった。サイドで数的優位をつくって相手の守備を混乱させる場面もあった。前半終了間際には左から崩し、細谷が反転してからのシュートでゴールネットを揺らす。しかし相手選手を背負った時にわずかに足が出ており、VARの介入でオフサイド判定となった。
後半、相手の足が止まり始め、押し込んでいた流れでCKから追加点を奪われた。「後悔しても仕方ないが、あと一歩(相手に)寄せられた」と藤田。仕留め切る力など、わずかな質の違いが結果的に明暗を分けた。
出場16チームで年齢制限のないオーバーエージ枠を唯一使わずに臨んだが、規律を持って一枚岩になれば十分に戦えることを示した。「選手が、本当に成長したと思う」。大岩監督は何度も言葉を詰まらせた。ピッチでの円陣では、A代表で再会しようと選手たちは誓い合った。世界と渡り合った経験を無駄にはしない。 (時事)
[時事通信社]
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