自然と身に付いた「インドネシア流」=最強ペア、銅メダル獲得―渡辺、東野選手・バドミントン〔五輪〕
東京五輪と同じ銅メダルを獲得したバドミントン混合ダブルスの渡辺勇大選手(27)=BIPROGY=と東野有紗選手(28)=同。2人の名前から「ワタガシ」と呼ばれる最強ペアはメダルが決まった瞬間、コートに崩れ落ち、泣きながら抱き合った。
福島県の富岡第1中、富岡高校時代の2人にラケットの握り方を教えた大堀均さん(56)によると、最強ペア誕生の背景には、中学生だった2人を指導したインドネシア人コーチの一言がある。「なぜ日本は混合ダブルスを頑張らないんだ」
コーチは混合ダブルスの元世界ランキング4位の選手。大堀さんは「日本は遅れている」と気付かされたが、当時の日本には混合ダブルスの全国大会がなく、大きな試合に出るには、海外に出向くしかなかった。
遅れを取り戻すため、大堀さんは2人を中学時代からインドネシアなどへの遠征に参加させ、「大人にも勝てるペア」への成長を後押し。「気付いたらすごいペアになっていた」と振り返る。
渡辺選手が相手の意表を突くようなショットや相手の足が止まるような球を打つのは、コーチや遠征の影響という。「インドネシア人選手は試合のさなかに『遊び』をつくる技術を身に付けている。(渡辺選手は)自然とインドネシア流のバドミントンになっていった」と話す。
大堀さんによると、男子選手も交じる混合ダブルスの女子選手は、女子ダブルスとは違った要素が求められるという。東野選手について、「両足でジャンピングスマッシュを打てる女子選手は世界でもごくわずか」と絶賛した。
[時事通信社]
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