ウルフ、復活劇見せられず=出し尽くした3年間―柔道〔五輪〕
復活劇を見せることはできなかった。柔道男子100キロ級で連覇を目指したウルフ。敗者復活戦で敗れ、メダルにも届かなかった。最後の五輪のつもりで臨んだパリ。「どうなろうと、もうこれ以上続けるつもりはない」。力は出し尽くした。
ノーシードから2試合を勝ち上がり、準々決勝で優勝候補のスラマニゼ(ジョージア)に完敗。「間合いを詰められず、攻めあぐねたところで隙が生まれたのかもしれない」。隅返しで技ありを奪われると、そのまま逃げ切られた。
2021年東京五輪の後は減量や膝の古傷に苦しみ、国際大会で勝てずに低迷した。東海大の恩師、上水研一朗監督は「これほどまで人は落ちるのかっていうぐらい別人だった」と振り返る。
現役引退が頭をよぎったこともあったが、「自分の気持ちに耳を傾けて『何で柔道をやってるのかな』と考えたとき、やっぱ好きだからだと思った」とウルフ。節制して体重をキープし、4分間で勝負できる柔道を目指した。2月のグランドスラム・パリで東京五輪以来の国際大会優勝を果たし、全階級を通じて最後に代表に滑り込んだ。
結果こそ残せなかったが、東京五輪時の担当コーチでもあった鈴木桂治監督は「ここまで仕上げてきてくれたのは、私としては良かった」。どん底から再び頂点を目指した3年間の奮闘に、敬意を表した。 (時事)
[時事通信社]
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