潔く認めた力不足=池田、世界の歩みに後れ―競歩〔五輪〕
世界の競歩界の歩みは、想像以上に速かった。池田は残り5キロでペースが上がった後も先頭集団に食らい付いたが、ラスト3キロを切って脱落。東京大会の銀メダリストは、順調な調整を経て迎えた2度目の五輪で7位入賞にとどまった。「シンプルにラスト5キロの戦いで力不足だった」と潔く認めた。
2022年世界選手権では山西利和(愛知製鋼)に及ばず銀メダル。頂点に立つため、変化を恐れずコーチの下を離れて一人で練習する道を選んだ。日本陸連の今村文男シニアディレクターは「自分がやってきた取り組み、やりたい取り組みをうまく整理して組み合わせている」と感心する。
東京五輪後、高い反発力で長距離界を底上げした厚底シューズが競歩界にも普及。世界のライバルは強さを増し、昨夏の世界選手権男子20キロでは日本勢が入賞なしに終わった。高速ピッチが持ち味の池田は、厚底が「合わない」と判断。従来のシューズで2月に世界歴代3位のタイムをマークしたが、2大会連続のメダルには届かなかった。
パリ五輪は競歩の個人種目が20キロだけとなり、選手が集中した側面もある。「悔しい思いはあるが、この3年間やってきたことが決して無駄だったわけではない」。来年の世界選手権東京大会、4年後のロサンゼルス五輪を見据え、「いつかパリの経験があったから今があると思えるような競技人生になったら」と前向きに語った。 (時事)
[時事通信社]
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