大きなストロークを武器に=6位入賞の競泳・渡辺選手〔五輪〕
競泳男子200メートル平泳ぎで6位に入賞した渡辺一平選手(27)=トヨタ自動車=は2大会ぶり2回目の出場。持ち前の大きなストロークを武器に決勝を泳ぎ切った。
高校3年間を指導した下城智宏さん(54)によると、190センチを超える長身で手足が長く、大きなストロークが特徴。「200メートル向きの長持ちする筋肉をしていた」と話す。当時から、水面の高い位置で水をつかみ、長い手足を生かして前に進むことができたという。
高校時代の練習では、距離を泳ぐより質を重視。平泳ぎに限定せず、クロールやバタフライなど、メドレー種目の4泳法にも力を入れた。「わいわいしながら競争するのが好きなお祭り男。練習メニューを見せると、こちらが言わなくても頑張りどころを理解できた」と振り返る。
一番印象に残っているのは、渡辺選手が高校1年だった時のこと。2月に出場した大会でタイムを計4秒縮め、全国で名前が知られるようになった。だが、3カ月後の大会で、あまり準備運動をせずに100メートル平泳ぎに臨み、失速。直後の200メートル平泳ぎ前は入念に準備運動をしたが、満足な結果は出せなかった。
「その失敗が良かった。一平は順風満帆には行かない」と下城さん。渡辺選手は前回東京五輪の出場を逃したが、下城さんは「その失敗は、あいつにとって貴重なもの」と言う。
[時事通信社]
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