妥協しない練習で握った切符=個性伸ばし五輪初出場―競泳・竹原選手〔五輪〕
競泳男子200メートル背泳ぎで竹原秀一選手(20)=東洋大=は五輪初出場。ロンドン五輪メダリスト、入江陵介さん(34)を破って切符を手にした次代の担い手が大舞台に挑んだ。
福岡県出身。小学3年から高校卒業まで10年間指導した平良幸貞コーチ(68)によると、竹原選手の最大の特徴は「頭が上がったり下がったりする泳ぎ方」にある。小さい頃から自然とその泳ぎをしていたという。
個性的な泳法について、周囲から「フォームを直さないのか」と聞かれたこともあった。だが、竹原選手は「頭を動かさない泳ぎもできるけど、記録がどうしても出ない」と言った。「このままでいこうや」。2人で決めた。
竹原選手の強さの源は、妥協を許さない練習という。平良コーチは「どんな練習にも挑んでくる。『このタイムでいこう』と言うと、必ずそれに合わせて泳げるよう頑張っていた」と振り返る。
3月に行われたパリ五輪代表選考会の直前、平良コーチは竹原選手に1枚の写真を送った。小学4年の時に優勝した九州大会で、レース前に自分のコースをじっと見詰める竹原選手が写っている。
写真には「ただ記録をあげるために、前を見つめている姿。今でもそれは通用するんじゃないの」とメッセージを添えた。「あの時と同じように『しっかり前を向いて目標達成のために頑張れ』という思いを込めた」という。
[時事通信社]
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