為替介入、5.5兆円=7月11、12日に円急騰―財務省
財務省は31日、外国為替市場で6月27日から7月29日までに総額5兆5348億円の為替介入を実施したと発表した。円相場は7月11日夜と12日夜に急騰する場面があり、市場では政府・日銀が2夜連続で計5兆~6兆円規模の「覆面介入」を行ったとの見方が出ていた。介入の実施は今年4~5月以来。
覆面介入は、実施の有無を直ちに公表せず、いつ介入が行われるか分からない疑心暗鬼を市場に生じさせ、効果を高める手法。今回の発表で直近1カ月間に実施した介入の総額が判明した。どの日にいくらの介入を行ったかは7~9月分をまとめて11月上旬をめどに公表される。
円相場は7月11日夜、6月の米消費者物価指数の発表後に1ドル=161円台から157円台に急騰。12日夜も米卸売物価指数の発表を材料に159円近辺から157円台に急上昇した。市場関係者は11日に3兆~4兆円規模、12日に2兆円規模の円買い介入があったと推計していた。
介入の実務を指揮した財務省の神田真人財務官は、この間の介入の有無を明言せずに7月31日付で退任したが、11日夜には「(経済の)ファンダメンタルズ(基礎的条件)と違った動きがかなり気になる」と記者団に述べていた。
円相場は4月29日に160円台まで急落。政府・日銀は4月下旬から5月下旬の間に計9.7兆円の円買い・ドル売り介入を実施していた。
米国のイエレン財務長官は為替介入に関する質問にはこれまで「極めてまれであるべきだ」との原則を繰り返す一方、先週開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済と金融の安定に悪影響を与え得ることを認識する」との合意を確認している。
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