残り10秒、逃がした勝利=日本、大健闘も惜敗―バスケット男子〔五輪〕
日本の4点リードで迎えた第4クオーター残り10秒。河村は3点シュートを防ごうと腕を懸命に伸ばした。相手の体に触れたかどうかは微妙に映ったプレーだったが、審判はファウルを宣告。3点シュートが決まり、さらにフランスにフリースローが与えられて同点とされた。
その6秒前。タイムアウトで集まった選手は全員で確認した。「レイアップでもダンクでも、最悪3点シュートを決められてもリードだから」と主将の富樫。最後はボールをキープし続ければいい。勝利への段取りは万全のはずだった。
同点となって状況は一変し、地元ファンの悲鳴は歓喜の雄たけびとなった。既にエースの八村はファウルで退場。延長戦で再びリードを奪う力は日本に残っていなかった。ホーバス監督は「こういう試合は緊張して疲れるもの」と、悔しさをにじませた。
東京五輪銀メダルの相手に対し、終盤までの戦い方は完璧に近かった。激しいプレーで相手の自由を許さず、3点シュートの決定率は40%超。「勝つチャンスがあったし、勝てると思った。うちのバスケを見せられた」と監督は語った。
富樫は無念そうに「勝ちたかった」。心の底から悔しがる選手の姿は、チームのレベルが一段上がった裏返しでもあった。 (時事)
[時事通信社]
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