経済支援パッケージ表明へ=岸田首相、中央アジア首脳会合で
岸田文雄首相は8月前半にカザフスタンで開く中央アジア5カ国との首脳会合で、持続可能な経済発展を後押しする支援策パッケージを打ち出す方向で調整に入った。中国やロシアの影響力が強い中央アジアの引き寄せを図るのが狙い。複数の日本政府関係者が30日、明らかにした。
首相は8月9~12日の日程でウズベキスタン、カザフスタン、モンゴル3カ国を歴訪する予定。パッケージは輸送路整備や脱炭素化、人的交流促進などが柱で、首脳会合後に発表する共同声明に盛り込む方向で調整中だ。
安定した輸出ルートを開拓して経済的な自立を促すため、ロシアを経由せず中央アジアと欧州を結ぶ輸送路「カスピ海ルート」の整備を打ち出す。脱炭素化では日本企業の技術や融資の活用を検討。天然ガスの加工支援などを想定する。人的交流促進では、日本の在留資格「特定技能」による人材受け入れを図る。
中央アジア5カ国はウズベク、カザフ、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンで、いずれも旧ソ連構成国。現在もロシアと安全保障分野で強い関係を持つ一方、ロシアのウクライナ侵攻に関しては一定の距離を置いている。
中央アジアは、東アジアと欧州を結ぶ地政学的な要衝に位置。ガスなどの天然資源が豊富で、近年は中国が経済的な影響力を拡大している。米国や欧州連合(EU)も関係強化を模索している。
[時事通信社]
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