33歳は歩み止めず=世界でも屈指の年長記録―競泳女子平泳ぎ、鈴木〔五輪〕
104年前に始まった競泳ニッポンの五輪への挑戦。その先人たちを超え、鈴木聡美選手(33)=ミキハウス=は男女を通じて歴代最年長出場を果たした。最初の種目では準決勝敗退にとどまった悔しさを胸に、今大会最後の個人種目となる31日の200メートル平泳ぎ予選に臨む。
国外を含めても、指折りの年長女子選手となった。世界水連によると、今回のパリ大会を含めてのべ5500人以上の女性スイマーが五輪にこれまで出場。このうち、33歳以上で大舞台に立った記録が残るのはのべ20人ほどしかいない。
2000年前後から息の長い女子選手が徐々に出ており、今大会には自由形長距離などで五輪6大会連続代表のクリステル・コブリッチ(チリ)が38歳でエントリー。35歳のジェシカ・バルモンテロ(スペイン)は平泳ぎ種目に臨んでおり、鈴木選手のライバルの一人だ。
「すごい精神力だな」。そう実感を込めて話すのは、12年ロンドン五輪400メートルメドレーリレーで共に銅メダルを手にした加藤ゆかさん(37)。学年は入れ違いだったが、山梨学院大のプールで神田忠彦コーチの厳しいトレーニングを乗り越えて五輪に出た共通点もある。
加藤さん自身、卒業後は所属先を変えて競技を続けた。当初は山梨で続けることも考えたが「同学年で切磋琢磨(せっさたくま)してというのがなくなると、ちょっと気持ち的にきつい」。だからこそ、卒業後も環境を変えずに水泳と向き合い続けて大舞台に返り咲いた後輩の姿をまぶしく見ている。
加藤さんが昨年、山梨で食事をした際、鈴木選手はこう話したという。「練習についていけるまでは、ずっと続けたい」。いちずに水泳と向き合いながら歩き続ける。パリ五輪も通過点の一つにすぎない。 (時事)
[時事通信社]
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