敗れても沸かせた「ナイジャ」=4年後は地元LAで―スケートボード〔五輪〕
最高峰の戦いにふさわしい高次元のトリック(技)の競い合いとなった男子ストリート決勝。堀米が土壇場で大逆転する劇的な幕切れだったが、米国のナイジャ・ヒューストンもスターぶりを発揮して会場を沸かせた。「最高の気分。米国の代表としてここにいることができてうれしい」。銅メダルを素直に喜んだ。
全身に彫られたタトゥーと、端正な顔立ち。ルックスもさることながら圧巻はスケート技術だ。45秒間で技を詰め込むランでは軽やかにコースを駆け抜け、技を決めるたびに大歓声が上がった。「表彰台に立てたのはファンのエネルギーのおかげ」。7位だった東京五輪は暑さに苦しんだが、今回は存分に楽しめた。
厳格な家庭に生まれ、幼少期は自由に友達と遊ぶことすら許されなかった。スケートボードは親から半ば強制的に勧められ、自宅の裏庭でデッキに乗って技を磨いた。わずか7歳でプロに。数々の大会で賞金を稼ぎ、今ではプール付きの豪邸で優雅に暮らす。長いキャリアを振り返り、「スケートボードがなかったら今の自分はいない」と言う。
次の五輪はヒューストンにとってホームタウンのロサンゼルスが舞台。スケートボード発祥の地でもある。その頃には33歳で体力的にも簡単ではないだろうが、「スケートボードが大好き。ここにいる選手たちと、できる限り競争し続けたい」。世界最高のスケーターとして知られる「ナイジャ」を再び五輪で見たいファンは、たくさんいるはずだ。 (時事)
[時事通信社]
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