2024-07-30 07:23社会

練習嫌いだった「カツオ」=8位入賞―競泳・松元選手〔五輪〕

競泳男子200メートル自由形決勝で力泳する松元克央選手=29日、パリ
競泳男子200メートル自由形決勝で力泳する松元克央選手=29日、パリ

 競泳男子200メートル自由形の松元克央選手(27)=ミツウロコ。予選落ちだった東京五輪の屈辱を晴らすため、大舞台に戻ってきた「カツオ」は8位に入賞した。
 水泳教室に通っていた兄の影響で幼稚園児のころに泳ぎ始めた。小学生だった松元選手を指導した平昌巳コーチ(62)によると、クロールは圧倒的な速さだったが、平泳ぎは最下位。何とか順位を上げさせたいという思いから、遊び心で順位表に「克央」を「カツオ」と記載したところ、教室の生徒たちに浸透。以来、「カツオ」が愛称になった。
 10歳でジュニアオリンピックを制したものの、練習嫌いが響いてか、以降は低迷が続いた。水泳教室では合宿を定期的に実施していたが、平コーチが「頑張ろうな」と声を掛けても、「僕は行きません」。平コーチは「40年近く教えて、合宿に行かなかったのは彼だけ」と笑う。
 松元選手は、わざと擦り傷をつくり、親に「痛くて泳げないから休む」と言ったこともあったという。2019年の世界選手権で銀メダルを獲得後、祝いの席で白状したエピソードだ。
 そんな松元選手も、水泳教室を巣立ち、数年ぶりに再会した恩師に「24時間水泳のことを考えている」と話した。平コーチは「昔の彼からは想像できないくらい、水泳に前向きで、『人ってこんなに変わるんだ』と思った」と振り返った。 
[時事通信社]

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