2024-07-29 17:50スポーツ

「銀の弾丸」先輩への思い胸に=サーフィン男子の稲葉〔五輪〕

銀のヘルメットをかぶり、五輪デビューを果たした稲葉玲王=27日、タヒチ(AFP時事)
銀のヘルメットをかぶり、五輪デビューを果たした稲葉玲王=27日、タヒチ(AFP時事)

 サーフィン男子の稲葉玲王が、銀色のヘルメット姿で五輪デビューを飾った。日本から持参したヘルメットは、同じ千葉県出身のプロサーファー、故小川直久さんのトレードマークと同じデザイン。先輩サーファーへの思いを胸に、屈指の難度とされるタヒチの大波に向かっている。
 小川さんはトンネル状の大波(チューブ)に果敢に挑む姿で知られ、「シルバー・ブレット(銀の弾丸)」とも呼ばれた。チューブを特徴とするタヒチの海が会場のパリ五輪を目指したこともあったが、昨年5月にがんのため51歳で死去。出場はかなわなかった。
 五輪直前の6月下旬、小川さんの家族も出席した壮行会で、稲葉は声を詰まらせながら決意を語った。「日本人が世界に出ていくレールを敷いてくれた人。五輪にも行きたかったと思う。力をもらえたら」
 27日の五輪1回戦では、最高峰ツアーで戦う実力者を抑えて、3人で争った組を1位で突破。力強くチューブをくぐり抜けた。思いを込めたヘルメットが「(好スコアを出した)波を送ってくれたと思う」と稲葉。新たな「銀の弾丸」となって、大舞台で躍動している。 (チョープー=仏領タヒチ島=時事)
[時事通信社]

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