重岡銀、強打に屈す=打ち合いで劣勢、TKO負け―ボクシング世界戦
9回、残り10秒。挑戦者の強打にさらされた王者の重岡銀がレフェリーに抱きかかえられた。「すごく特別」と話していたメインイベントで3度目の防衛を目指したが、無念のTKO負けとなった。
じわじわと前に詰め、ボディーを打つタドゥランにペースをつかまれた。序盤に右目付近を腫らし、3回で鼻血も。得意としていたはずの左利き同士の打ち合いで、左の有効打はほとんど当てられなかった。
プロ転向後の無敗記録は13戦目でストップ。具志堅用高が持つ13度連続防衛の日本最多記録を更新する夢も、いったんついえた。兄の優大は3月に王座を失っていただけに、どうしても守りたかったベルトだった。
ロープを背負い、一方的に攻撃を受けながら、倒れまいと懸命に足を使った重岡銀。最後まで闘志は見せた。担架に乗せられリングを離れる姿に、場内からねぎらいの拍手が送られた。
[時事通信社]
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