在日米軍に指揮権=拡大抑止へ連携強化―PAC3共同生産・日米2プラス2
日米両政府は28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を東京都内で開いた。米側は在日米軍に指揮・作戦立案などの部隊運用権限を付与する方針を表明。「核の傘」提供を含む米国の拡大抑止の信頼性確保に向けた連携強化を確認した。
中国の軍備増強などを踏まえ、自衛隊と米軍の抑止力・対処力の向上を図る。木原稔防衛相は共同記者会見で「日米同盟を現代化するためのさまざまな取り組みの進捗(しんちょく)を確認した」と強調。オースティン米国防長官は「在日米軍を統合軍司令部にアップグレードし、拡大したミッションと作戦責任を与える」と述べた。
日本は今年度末に陸海空3自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」を創設する。米側はハワイのインド太平洋軍司令部が在日米軍を指揮しているが、自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化を図る。
共同発表文書は、在日米軍について、インド太平洋軍司令官の下で「統合軍司令部として再構成する」と明記し、自衛隊統合作戦司令部の「重要なカウンターパート」と位置付けた。日米は双方の体制整備に向け、作業部会設置で一致した。
防衛装備品の共同生産に関しては、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)や最新鋭ステルス戦闘機F35で運用する中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の生産能力拡大で合意した。
地域情勢では、中国について「他者を犠牲にし、自らの利益のために国際秩序を作り変えようとしている」と非難。東シナ海で現状変更の試みを図っていると指摘し、米側は日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを重ねて確認した。
台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性も掲げ、平和的解決を促した。ウクライナに侵攻したロシアを批判。中ロの軍事協力や、中国によるロシアの「防衛産業基盤への支援」、ロ朝間の軍事協力に懸念を示した。
[時事通信社]
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