立民、安保・原発「現実路線」=リベラル系反発、代表選争点も
立憲民主党が安全保障・原発といった根幹政策で「現実路線」化を進めている。次期衆院選での政権交代を目指し、「批判ばかり」との従来のイメージを拭い、保守・無党派層を取り込む狙いがある。ただ、党内では「コアな支持層が離れた」(関係者)と反発する声も根強い。泉健太代表の路線の是非が9月の代表選の主要争点になりそうだ。
「私が代表の下、現実路線に立っている。安定政権をつくるための政策をそろえている」。泉氏は19日の記者会見で胸を張った。別の会見では「英国の政権交代はわれわれにとって勇気だ」と表明。英労働党が左派色の強い公約を取り下げ、穏健な中道路線に回帰して総選挙に勝利したことも、泉氏の背中を押しているようだ。
実際、先の通常国会では、政府が提出した安全保障分野の重要法案に立民が賛成に回る場面が目立った。
経済安保分野の重要情報を扱う資格者を政府が認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度創設法は、運用状況を毎年国会に報告するとした修正を評価。日英伊3カ国の次期戦闘機共同開発に関する条約には「次期戦闘機は専守防衛の観点から必要」と理解を示し、自衛隊に「統合作戦司令部」を創設する関連法にも賛同した。
前身の民主党時代には、安倍政権が推進した特定秘密保護法や集団的自衛権行使を一部容認する安保法制に強硬に反対。岸田政権の安保政策には党内リベラル勢力が批判的だが、泉執行部が押さえ込んだ。党幹部は「政権を取ったときに自分たちの首を絞めるようなことはしない方が良い」と語った。
「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と党綱領に明記していることに関しても、泉氏は「すぐ全部停止するという話はしていない」と述べ、当面の再稼働を容認する。電力総連などの支援を受ける国民民主党との連携につなげたい思惑がある。一方、共産党は立民との共闘継続を望んでおり、泉氏の下での「転向」を警戒。小池晃書記局長は「立憲主義を壊す」とけん制している。
立民内には、リベラル系議員を中心に「反対すべきところで反対しなければ魅力が消える」(ベテラン)といった懸念は大きい。憲法改正についてはなお慎重派が優勢だ。旧立民を旗揚げした枝野幸男前代表が代表選で泉氏と争えば、党内の路線対立が先鋭化する可能性がある。
[時事通信社]
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