船上の大役、思いを胸に=SHIGEKIXと江村―ブレイキン・フェンシング女子〔五輪〕
雨の中、全体の93番目でセーヌ川を「行進」した日本の選手たち。ブレイキン(ブレイクダンス)男子のSHIGEKIXこと半井と、フェンシング女子の江村が船上で日の丸を掲げた。五輪に新風を吹き込むアーバンスポーツと、歴史ある伝統競技。2人は日本の「顔」としてのみならず、それぞれの競技への思いを胸に旗手を務めた。
半井は唯一の新競技の第一人者として臨む。当初はスポーツになることに戸惑いの声が多かったが、常に前向きに歩んできた。「本当にいろいろなことが変わるきっかけになった」。次の2028年ロサンゼルス大会の実施競技からは外れたこともあり、パリに懸ける思いは人一倍強い。「ブレイキンの選手が旗手をすることで、伝えられるメッセージがある」。開会式では、これまで接点のなかった他競技の選手との交流を楽しんでいた。
引き受けることで競技の発展につなげたいとの気持ちは、江村も同じ。第1回大会から行われている数少ない競技の一つフェンシングだが、日本での知名度は決して高いとは言えない。打診を受けた時は迷いもあったものの、「フェンシングにとってすごくいい機会」。次世代の選手に夢や可能性を持ってほしいという思いが、数少ないプロ選手として活動する江村の大きな原動力だ。
共に金メダルの有力候補でもある。江村が「感謝の気持ちをプレーで出し切りたい」と意気込めば、半井は「ベストを尽くして自分のスタイルを見せたい」。大役を終え、今度はアスリートとして戦う姿を見せる。 (時事)
[時事通信社]
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