「1世紀ぶり」に高まる期待=リオ以来の有観客開催―開会式目前のパリ市内〔五輪〕
五輪の開会式を26日午後(日本時間27日未明)に控えたパリ市中心部は、1世紀ぶりの自国開催を祝う市民や各国から訪れた観光客らでにぎわっていた。東京五輪は新型コロナの影響で原則無観客での開催を余儀なくされており、リオデジャネイロ五輪以来の有観客での実施に期待が高まっている。
パリ東部のバスチーユ広場に設置された五輪マークの像の前では、観光客らが代わる代わる記念撮影をしていた。出場選手の家族の姿もあり、撮影を終えたホッケー男子南アフリカ代表ダニエル・ベル選手(29)の母シンディー・ベルさん(62)は「パリが安全な街に向けて真剣に取り組んでいることを肌に感じる」と語った。
ダニエル選手は東京五輪にも出場したが、無観客だったため、シンディーさんは訪日を断念したという。「画面越しではなく、直接観戦できることがうれしい」と興奮した様子だった。
「開会式を息子と一緒に見に行く」と話したのは、広場近くでダンス教室を営むセバスチャン・マサロさん(47)。教室では今大会の競技に採用されたブレイキンなどを約4000人に指導しているという。「五輪で注目されたことで生徒が2年前に比べて倍増した」と語った。
人気店が立ち並ぶパリ市マレ地区の衣料店で働くイネス・ルゴーさん(23)は「五輪期間中に各国から来た人と交流し、多文化を学んで視野を広げたい」と笑った。9歳から日本語を独学し、桜や富士山、京都の街並みに興味があるという。
エッフェル塔など観光名所周辺では、パトカーや騎馬隊などが警戒に当たっており、一部の道路と地下鉄の駅が閉鎖された。ルゴーさんは「交通の便が悪くなって大変だ」とこぼしつつ、「五輪を通じ、世界中の人や文化に触れられたと感じるはず。100年ぶりの大会が楽しみ」と期待を膨らませていた。
[時事通信社]
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