福島から世界へ=なでしこ輩出のJFAアカデミー―フランスに恩返しも〔五輪〕
25日に1次リーグ初戦を迎えるサッカーの日本女子(なでしこジャパン)に選手を多数送り込んでいるのが、エリート選手養成機関のJFAアカデミー福島。全寮制の中高一貫教育とセットになった育成システムで2006年の開校以来、着実に選手を育ててきた。
参考にしたのがフランス。パリ近郊クレールフォンテーヌにあるナショナル・フットボール学院で校長を務めたクロード・デュソーさんをアドバイザーとして招き、考えを指導法に反映させた。
女子ヘッドコーチだった今泉守正さん(63)=米女子プロリーグ・ワシントンコーチ=は、デュソーさんに「サッカーなのに、日本では相撲のトレーニングが多い」とよく言われた。ドリブルを磨く1対1の練習が多かったためだ。日本人にはどんなサッカーが適しているかといった議論を通じ、「人もボールも動くサッカー」のベースとなる練習法が生み出された。
就労体験やマナー講習といったカリキュラムも重要で、今泉さんは「周りを見る力、決断力、コミュニケーション能力。土台を大きくしないと、選手として伸びない」と言う。OBのGK平尾知佳(アルビレックス新潟)は「大人になって生きているなと感じる」。パリ五輪代表の谷川萌々子(ローセンゴール)、古賀塔子(フェイエノールト)が卒業後、直接海外に渡ったのは成果の表れと言える。
11年の東日本大震災後は福島県の「Jヴィレッジ」から静岡県御殿場市に拠点を移して活動。同年ワールドカップ(W杯)でなでしこが初優勝を遂げた決勝の米国戦を、平尾や北川ひかる(INAC神戸)、守屋都弥(同)らは寮で集まって見守り、勇気と刺激をもらった。今春、拠点は13年ぶりに福島に戻った。
卒業生でなでしこの主力だった遠藤純(エンゼルシティー)は今回けがで不在だが、先輩の北川が穴を埋める。フランスの地でアカデミー育ちの選手が躍動すれば、デュソーさんへの恩返しにもなる。 (時事)
[時事通信社]
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