セーヌ川両岸、厳重警戒=にぎわいも、しわ寄せも―パリ五輪
パリ五輪開幕が26日に迫り、開会式の舞台となるセーヌ川両岸は厳戒態勢に入っている。テロ対策のため道路を封鎖し、観光名所周辺も立ち入り制限が敷かれた。一部でにぎわいを見せるものの、経済的に打撃を受ける店もある。
開会式は五輪史上初の屋外で開催され、パリ中心部を流れるセーヌ川の約6キロを各国・地域の選手団が船で「行進」する。両岸周辺は18日から制限区域に指定され、観光客の他、域内の住民も当局が発行するQRコードの通行証が必要となる。
23日、ルーブル美術館前では規制を知らずに訪れた観光客が、通行可否を判断する検問所で次々と追い返されていた。ロンドンから観光で来たという夫婦は、美術館内の高級カフェ店に入ろうとしたが通行証がなく、断念。夫のジョンさんは「カフェにも行けないなんて。これから別の店を探します」とため息をついた。
2019年に焼失し、再建中のノートルダム大聖堂は制限区域内にあるものの、区域の内外を分けるフェンスの外側では、観光客がごった返していた。スマートフォンで自撮りに興じたり、建物の外観を撮影したりしていた。
ただ、区域内にある大聖堂脇のレストランは軒並み閉店。ある土産物店は、1日当たり2000ユーロ(約34万円)ほどだった売り上げが、規制後は40~50ユーロまで落ち込んだという。店員のジェシーさんは「昨日の客数は4人。開会式が終わるまではどうしようもない」と肩を落とした。
街のシンボルであるエッフェル塔周辺は、競技会場の設営が進み、通行路が大幅に縮小。観光客はまばらだった。
[時事通信社]
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