ハリス氏、中絶・年齢前面に=米大統領選、異なる戦い方
【ワシントン時事】11月の米大統領選に向け、民主党の候補指名を確実にしたハリス副大統領(59)は、人工妊娠中絶の権利や自身の年齢を前面に押し出す姿勢を打ち出した。共和党のトランプ前大統領(78)に対し、撤退を表明したバイデン大統領(81)とは異なる戦い方で挑む。
「政府が女性に自分の身体をどうするかを指図すべきではない」。ハリス氏はバイデン氏から後継指名を受けた最初の選挙演説で、こう力強く訴えた。
カトリック教徒だったバイデン氏はこれまで女性の中絶の権利擁護を訴えてきたものの、説得力に欠けるきらいがあった。バイデン政権で中絶問題に熱心に取り組んできたのもハリス氏だった。
ハリス氏は「連邦議会が中絶の自由を回復する法案を可決すれば、私は大統領としてそれに署名する」とも表明。中絶の憲法上の権利を否定した2022年の連邦最高裁判決以降、女性の関心が特に高いこのテーマを選挙戦の主要な争点に持ち込む構えだ。
また、これまで民主党のアキレス腱(けん)だった候補者の年齢も、一転して強みとなった。ハリス氏は22日の演説で、トランプ氏を過去志向、自らを未来志向と位置付け、対比の構図を作り出した。
バイデン氏は老化が目立ち、トランプ氏からやゆされてきた。しかし、トランプ氏も共和党の指名を争ったヘイリー元国連大使を民主党のペロシ元下院議長と混同するなど、言い間違いを繰り返してきた経緯がある。ハリス氏はトランプ氏より19歳若く、攻守が逆転した格好だ。
[時事通信社]
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