ロシア「取引」で短期解決も=バイデン政権で侵攻長引く―米大統領選
ロシアのプーチン政権は、自国に有利な形でウクライナ侵攻を収束させる契機として、バイデン米大統領の選挙戦撤退を利用しようとするとみられる。ロシアは、バイデン政権が主導する欧米の軍事支援がウクライナでの戦闘を長期化させているという立場で、トランプ前大統領が返り咲けば「ディール(取引)」による短期解決が現実味を増すためだ。
ペスコフ大統領報道官は21日、選挙の行方に関係なく、侵攻の「目標達成」が優先という考えを示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、「24時間以内に戦争を終わらせる」と豪語するトランプ氏を警戒。一方、プーチン大統領は最近、トランプ氏の提案の詳細を知らないと前置きしつつ「非常に真剣に受け止めている」と表明した。
ロイター通信によると、トランプ氏は安全保障担当顧問2人から、ウクライナが停戦交渉を拒んだ場合に支援を止めるよう提案され、前向きに反応したという。
英字紙モスクワ・タイムズは、バイデン氏が失態を演じた6月のテレビ討論会にプーチン政権関係者が満足していたと報道。ただ、言動が予測不能なトランプ氏の再選はロシアにデメリットももたらすとの識者の声も伝えた。
米ロ間には、ロシアが履行を停止した新戦略兵器削減条約(新START)など軍備管理の問題が横たわっている。プーチン氏は「米国に新しい政権が誕生するまで待たねばならない」と説明し、表向きは様子見の姿勢を維持している。
[時事通信社]
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