段ボールベッド、再登場=持続可能な大会へ―パリ五輪
東京五輪で注目されたある物がパリ五輪で再びお目見えする。選手村で使用される段ボールベッドだ。
ベッドは日本の寝具メーカー、エアウィーヴが製造した。フレームは段ボール製の組み立て式ながら耐久性は十分で、材料は全て再利用可能。東京大会ではフレームがリサイクルされ、枕とマットレスは全国の青少年教育施設などへ寄贈された。
同社の高岡本州会長兼社長は「東京大会での実績を含め、パリ大会でも持続可能性が評価された」と話す。ベッドのフレームについて、東京大会の際に木材やパイプを含め試験を重ねた結果、段ボールが耐久性と持続可能性に優れていると判断され、パリ大会ではフランス国内での製造、再資源化が義務付けられた。大会後も寝具はフランス軍をはじめ公共性の高い団体で再利用される予定だ。資源や環境への配慮がより強く求められる状況で「再登場」を果たした形だ。
東京大会では問題も起きた。野球のイスラエル代表が段ボール製ベッドの強度を試そうと、複数人がベッド上で飛び跳ねる様子を動画アプリに投稿し「炎上」、謝罪に追い込まれた。パリ大会に向けても、海外の一部メディアが耐久性への疑問から、「パリ五輪に性行為禁止ベッドが再登場」と報道。臆測が飛び交う事態となっている。
AFP通信によると、パリ五輪組織委員会は、この報道を受け「このベッドは、環境への配慮から選ばれたもの。品質も幅広い体形の選手が使用するため、厳しくテストされている」と懸念を一蹴。さらなる強度を追求しつつ、最も持続可能な大会にするため、段ボールベッドを採用したことを強調した。
大舞台の戦いに挑む選手にとっては、良質な睡眠で疲労を回復することも重要な「トレーニング」の一つ。東京の遺産が、パリでも快適さと環境への配慮を両立し、好評を得ることができるだろうか。(パリ時事)
[時事通信社]
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