バイデン氏、米大統領選撤退=高齢不安払拭できず―ハリス氏を後継指名
【ワシントン時事】ジョー・バイデン米大統領(81)は21日、2期目を目指した11月の大統領選から「撤退する」と表明した。民主党の後継候補としてカマラ・ハリス副大統領(59)を支持した。バイデン氏は6月下旬に行われた共和党候補、ドナルド・トランプ前大統領(78)との討論会で精彩を欠き、高齢不安が再燃。民主党幹部や支持層からの撤退圧力に屈した形となった。
11月5日の投票日まで約3カ月半。再選を目指した現職大統領がこの時期に出馬を断念するのは異例で、内外が注視する米大統領選は重大な局面を迎えた。
バイデン氏はSNSに書簡を載せ、自らの決断について「大統領を務められたことは、私の人生で最高の栄誉だ。再選を目指したが、私が身を引き、大統領としての残り任期の職務を全うすることがわが党と国家にとって最善だと信じる」と説明した。
また、SNSで「カマラを党候補者として全面的に支持し、推薦したい」とハリス氏支持を明言した。ハリス氏は声明で「光栄だ。党の指名を勝ち取る決意だ」と応じた。さらに「民主党と国を団結させ、トランプを打ち負かすため全力を尽くす」と強調した。
バイデン氏は週内に国民に向けて、決断の詳細を明らかにする。同氏は新型コロナウイルスに感染し、21日現在、東部デラウェア州の別宅で自主隔離を続けている。
民主党は、直ちに後継候補の指名手続きに着手する。党公認候補は全国党大会で正式指名されるのが通例。大会は8月19~22日に開催される。
民主党では1968年の大統領選で、現職のジョンソン大統領がベトナム反戦運動の拡大を受け、同年3月に再選出馬を断念した経緯がある。
バイデン氏はトランプ氏と対決した6月27日の討論会で言葉に詰まったり、意味の通らない発言を繰り返したりし、判断能力や健康面への懸念が拡大した。自身や家族は選挙戦継続を模索したが、不安を払拭できなかった。
[時事通信社]
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