2024-07-21 20:40スポーツ

貴景勝、会心の一番=反転へのきっかけに―大相撲名古屋場所

霧島(左)を押し出した貴景勝=21日、愛知・ドルフィンズアリーナ
霧島(左)を押し出した貴景勝=21日、愛知・ドルフィンズアリーナ

 会心の一番だった。大関かど番の貴景勝が1場所での大関復帰を目指す霧島を圧倒。鋭く踏み込み、引きにも乗じて土俵下まで押し出した。3日ぶりの白星でようやく3勝目を挙げ、「勝たないといけない。負けるよりはいいと思う」。表情は引き締まったままだった。
 首の古傷が悪化し、5月の夏場所を2日目から休場。今場所前に十分な稽古を積めなかった影響からか、押し勝っても一気に持っていく馬力が見られなかった。何度も窮地を脱してきたが、黒星が大きく先行した状況で8日目を迎えた。
 朝稽古では、てっぽうなど基本動作を確認し、筋力トレーニングにも励む。万全の状態には遠い中、「強くなったり、弱くなったりはしない。自分の力を出せるように準備をするしかない」と真摯(しんし)に土俵と向き合う。
 師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)はあえて助言することなく見守る。この日の朝には「一気に持っていくような相撲を取れたら、きっかけになることもある」。横綱、大関戦も控える勝負の後半戦。流れを変える1勝にしたいところだ。 
[時事通信社]

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