2024-07-20 20:38スポーツ

乱れず、業師に完勝=照ノ富士に死角なし―大相撲名古屋場所

照ノ富士(奥)は宇良を寄り切りで下す=20日、愛知・ドルフィンズアリーナ
照ノ富士(奥)は宇良を寄り切りで下す=20日、愛知・ドルフィンズアリーナ

 「満員御礼」の結びで、この日一番の歓声が上がった。照ノ富士はとったり、肩透かし、出し投げで揺さぶる宇良の攻めをことごとくしのぐ。「じっくりいこうと思っていた」。右で下手を引いて動きを止めると、力尽きた相手は土俵を割った。
 勝負が決し、敗者を土俵下に追いやることはない。健闘をたたえるかのように、相手の背中に手を添えた。業師の本領も及ばす、宇良は横綱の力量について、「自分の力では測れない。相手と対等でなければ測れない」と敬意を込めて言った。
 膝の古傷に加え、腰や左脇腹などにも不安を抱える。「痛くないところはない」と言うほど、満身創痍(そうい)で土俵に上がっている。状態が不安視されたものの、長い相撲にも乱れることなく、初日から7連勝。「まだ半分以上も残っているから」と慢心はない。
 3場所連続の休場明けで復活優勝を遂げた1月の初場所も、尻上がりに調子を上げた。早くも独走態勢を築きつつあり、目標としてきた10度目の賜杯獲得へ死角は見当たらない。場所前に「やってみないと分からない」と率直に言ったのがうそのように連日、力強さを披露している。 
[時事通信社]

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