ベトナム最高指導者死去、80歳=汚職撲滅を推進、異例の3期目途中
【ハノイ時事】ベトナム共産党の最高指導者グエン・フー・チョン書記長が19日、病気療養中のハノイの病院で死去した。80歳だった。当面、党内序列2位のトー・ラム国家主席が職務を代行する。共産党機関紙ニャンザンなどベトナムメディアが一斉に伝えた。
国会議長を経て2011年1月、序列1位の書記長に就任。16年、21年に再任され、南北ベトナムの統一後で初めてとなる3期目に入っていた。任期途中での書記長の死去は、1986年7月のレ・ズアン氏以来。
チャン・ダイ・クアン氏の死去を受けて、18年には国家主席を兼務した。書記長と国家主席を同じ人物が務めたのは「建国の父」ホー・チ・ミン、チュオン・チンに続き3人目だった。19年4月に視察先のベトナム南部で体調を崩したとされ、それ以降、健康状態を不安視する観測がたびたび流れていた。
北部ハノイ出身。党機関誌「共産雑誌」の編集長を務め、共産主義の理論に精通していた。特に党員らによる汚職の撲滅に力を注ぎ、党の近代化に取り組んだ。党の最高幹部会である政治局も聖域とせず、多くの党幹部が処分されたり、逮捕されたりした。外交面では、米国、中国、日本、ロシアなどの首脳らとの会談を重ね、良好な関係の発展を目指した。
1997年に政治局のメンバーとなり、ハノイ市共産党委員会の書記、国会議長などを歴任。12年半にわたり、内政と外交の両面でベトナムを引っ張った。
[時事通信社]
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