中国の壁、崩せるか=孫穎莎対策に焦点―卓球女子
1988年ソウル五輪で正式競技となった卓球で、日本は幾度となく中国勢の壁にはね返されてきた。団体は新種目となった2008年北京五輪以降、中国が男女とも金メダルを独占。そんな中、今年2月の世界選手権団体戦では日本女子が中国に健闘した。
早田ひな(日本生命)と平野美宇(木下グループ)が1勝ずつを挙げ、2勝3敗での惜敗だった。平野は「今までで一番、手応えも悔しさも感じた試合だった」と振り返る。
シングルスで不動の世界ランキング1位、孫穎莎の牙城は崩せないままだ。早田は過去の対戦成績で15戦全敗と圧倒されており、「他の中国選手とは比べものにならない。孫穎莎にフォーカスした強化をしないと壁は越えられない」。フィジカルや技術面の底上げはもちろん、サービスの種類を増やすなどして打開の糸口を探ってきた。
パリ五輪の団体で、中国は日本選手が比較的くみしやすかった王芸迪が外れ、元世界女王の王曼※(※日の下に立)が入る布陣に。五輪でのシード順を上げるべく海外ツアーを転戦してきた日本とは対照的に、中国の上位勢は最近の大会には出ていない。
力を付けてきた日本をマークし、対策に力を入れていることは想像に難くない。日本卓球協会では選手のデータ分析を3人で担当しているのに対し、「中国は何十人もが人海戦術で分析しているという話がある。どこまで本当なのか分からないが、中国ならやりかねない」(同協会担当者)と警戒する。
日本女子の渡辺監督は「2月の団体戦ではすごく手応えを感じたが、その後の試合では惨敗もあった。こちらが嫌なところを突かれる」と中国の底力を感じた。再戦の機会がきっと来るパリ五輪で、今度こそ牙城を崩し、歴史的な大会にできるだろうか。
[時事通信社]
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