役立った「まねる」技術=佐藤、日本勢初のメダル狙う―パリ五輪・近代五種男子
剣や手綱を握り、水をかき、走ってはレーザーピストルを構える。心身とも極限まで追い込む近代五種で、パリ五輪に出場する男子の佐藤大宗(自衛隊)にはどうしても手にしたいものがある。それは日本勢が未到達の五輪メダル。「想像すると鳥肌が立つ。歴史を変えたい」と誓う。
少林寺拳法と水泳をたしなみ、青森山田高卒業後の2012年に海上自衛隊に入隊。体力測定の水泳で好タイムを出し、勧誘を受けた。「近代五種なんて未知。面白そうだし、無理ならやめよう」との動機だった。
考えは甘かった。フェンシング、馬術、水泳に、2種目を組み合わせた射撃・ランで構成される「スポーツの王様」。当初は射撃で的に当たらず、落馬を繰り返した。体育学校は1年更新と厳しく、「重圧ばかり。いつも首を覚悟していた」と吐露する。
役立ったのは少林寺拳法の経験だ。師範の演武を見て、すぐ覚えるのが鉄則。「技をコピーするのは慣れている。まねたり、臨機応変に対応したりしよう」。フェンシングでは試合中にも相手の技術を模倣。射撃の姿勢もどんどん吸収した。
もともと経験のある水泳と、「根性走り」でついていくランは申し分ない。総合力が高まった21年に全日本選手権を初めて制し、昨年はワールドカップで日本勢の個人種目で最高の2位。「優勝できず悔しかった。パリで自分に打ち勝ちたい」と逆に燃えたのは、自信と手応えの証しだ。
懸命に挑戦してきた30歳。最初で最後かもしれない夢舞台に、「全てが我慢勝負。自分に集中し、気付いたら表彰台というのが理想」。その時に見るメダルは、どの色か。
[時事通信社]
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