異色の紫トラック、出るか世界新=東京五輪から改良―パリ五輪陸上
パリ郊外サンドニにあるフランス競技場が舞台となる、パリ五輪の陸上は異色の「紫トラック」で行われる。数々の「高速トラック」を手掛けてきたイタリアのモンド社が製造する特注素材でつくられ、世界記録の更新が期待されている。
モンド社は世界選手権など多くの国際大会で陸上トラックを生産してきた実績を誇り、五輪は1976年モントリオールから13大会連続で担当。同社のトラックでこれまでに約300の世界記録が誕生してきた。
トラックは赤茶色が一般的。過去にはリラックスでき、集中力を高めるとして青色が流行した時期もあった。今回は濃淡二つの紫色で構成。大会組織委員会によると、五輪陸上のスポーツマネジャーで元十種競技選手のアラン・ブロンデル氏は「組織委の独創的な取り組みを維持し、既成概念にとらわれないものを考えた。アスリートを際立たせる」と説明した。
モンド社はミラノ工科大協力のもと、資材の研究や開発を行っている。国立競技場で行われた東京五輪は男女400メートル障害と女子三段跳びの3種目で世界新が生まれたが、AFP通信によると、東京のトラックから下層面を改良。選手のエネルギーロスが軽減され、パフォーマンス向上が期待できるという。
今年は既に女子の1500メートル、400メートル障害、走り高跳び、男子棒高跳びなど多くの種目で世界記録が塗り替えられている。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2009年世界選手権で男子100メートルは9秒58、200メートルは19秒19の世界記録を樹立してから15年。新たな歴史的記録が刻まれるかもしれない。 (パリ時事)
[時事通信社]
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